企業インタビュー

Interview

互いを認め合い気にかける風土づくりで、働きやすさと働きがいのある職場づくりに取り組んでいます ー 学校法人 平成学園

認定取得に取組むことになったきっかけを教えてください

平成学園の外観と運営施設のイメージ

当法人は、乳幼児期から学童期までの子どもの成長と保護者様の子育てを応援する乳幼児学童施設を運営しています。
未来の日本の担い手となる子ども達の健やかな成長にとって、職員は人的環境として重要な存在です。それぞれのライフステージに合わせた働き方を選べるようにすることにより、職員一人ひとりが「働きやすさ」、「働きがい」を感じることができる職場づくりに取り組みました。

認定内容についての取組実践の経緯について教えてください

20代~80代の職員が活躍する現場で、まずは出産、子育てをスムーズに行い、心置きなく100%復帰できるよう制度を整えました。職場復帰後、子育て中の職員が安心して働き続けることができるよう、当法人が運営する施設への子どもの入園や親子出退勤の推奨、教育保育にかかる費用の無償化を実施しています。

また、ライフステージに合わせた職種転換制度を導入しました。これにより、職員のキャリアプランに応じて働き方の調整やキャリアアップが可能となり、継続して働ける環境が整っています。

その他、職員の人間性・専門性の質向上を目的とした様々な研修の実施(年間約250回)、保育士や児童発達支援管理者等の資格取得支援や費用の負担など、法人全体でサポートしています。さらに、専門性を高める個人目標を設定した年2回の面談や適時面談対応できる体制を整えています。このように細やかな取組をすることで、個々のキャリア形成のサポートや現場での職員の声を吸い上げることができ、より良い職場環境づくりに貢献しています。

平成18年度に「職場の教養」を使った活力朝礼を導入し、職員の意識向上・人間力の育成に取り組んでいます。活力朝礼は心の研修であり、人間力を高めることは幼児教育を実践していく上で最も大切なことだと考えています。

現在の取組内容と今後の展開について教えてください

先程述べました取組以外にも、各種休暇制度(メモリアル休暇・時間単位での有給休暇・男性職員の育児休暇・育児目的休暇・傷病治療や不妊治療、介護のための休暇等)が充実しており、短時間勤務や時差出勤等の勤務制度、様々なライフステージに合わせた配置転換、高齢者の定年後の雇用継続、および新規採用の体制も整っています。

これらの取組内容に共通していることは、当法人が大切にしている「恩送り」という考え方です。職員同士が互いを認め合い気にかける風土が、積極的な支援制度の利用や有給休暇取得率の向上、高い復職率などの実績につながっています。
さらに、これまでの職員との面談だけではなく、法人内の職員満足度調査を行い、職員の満足度や組織としての課題を具体的に把握することで、良い職場づくりに取り組んでいます。そして今後も引き続き、当法人で働く職員や子ども達の幸せのため、各職員のライフステージに合った支援をさらに充実させ、女性も男性も輝ける職場を目指してまいります。 

取組を実践して得られた成果や社内の変化はありますか?

2021年に「プラチナえるぼし」を取得したことで、法人内の各種制度の周知が進み、制度を利用する職員が増えたことは大きな成果だと実感しています。

現在園長を務めている女性は、最初は1日4時間のパートタイムで子どもと一緒に出退勤していました。子どもの成長に合わせて勤務時間を長くしていく中で、周りの方々の協力を得ながらキャリアアップを重ね、園長に就任しました。
そして今は、園長として恩を返す立場になっています。このような働き方が周りの職員の良い手本となり、現在も親子で出退勤している職員が多くいます。今後も職員にとって働きやすい、働きがいのある職場環境を整えることで、職員が前向きに学び続け、さらに活躍できますようサポートに取り組んでまいります。

これから認定取得へ向けて取組を始められる企業へメッセージやアドバイスをお願いします

学校法人平成学園理事長 大野 香葉美

「企業は人なり」という言葉があります。
企業にとっての最大の資産は「人」です。当法人におきましてもやはり、すばらしい職員あってこその法人です。

そのためには、職員一人ひとりの事情や状況に寄り添った職場環境づくりはもちろん、個々のライフステージに合った多様な働き方を提供し、長く活躍できる人財育成が重要となります。ワークライフバランスを実現できている企業は、従業員の職場や仕事に対する満足度や定着率向上、そして企業のイメージアップが期待できます。

当法人は開園当初より、長年様々な取組を行ってまいりました。
その結果として、ワークライフバランスの認定を頂戴いたしました。これにより認知度や企業価値が上がり、採用と定着率の向上や職員のモチベーションアップにつながっています。
そして現在も職員の幸せを篤く願う理事長の考えの下、現状に満足することなく日々取り組んでいる最中です。

協働して良き職場、良き社会を願う私達にとって、ワークライフバランスの充実・実現は不可欠です。
まず現状を把握し、従業員が「働きやすさ」と「働きがい」を感じることができる職場環境を整え、一人ひとりにとって“働きが最上の喜び”となりますよう、共に取り組んでいただけますと幸いです。