企業インタビュー

Interview

開設当時からより良い労働環境を目指して、現場の声から的確な改善を ー 医療法人 恕泉会

認定取得に取組むことになったきっかけを教えてください

当法人は、開設当時から職員の働き方について関心を持って取り組んでまいりました。
医療や介護の現場は、労働条件が良くないイメージを持たれがちですが、職員が快適に働くためにどうすれば良いかを常に考えながら、少しでも快適に働いてもらいたい、しっかりと休んでほしい、育休を取ることで家族と向き合う時間を作ってほしいと、労働環境の整備に力を入れています。


認定内容についての取組実践の経緯について教えてください

まず取り組んだのは年次有給休暇の取得促進、それから育児休業や時短勤務など子育てへの支援です。
特に職員の6割から7割が女性ということもあり、結婚、出産、子育て、介護など人生の節目節目で変わるライフスタイルに合わせた働き方ができるよう、職員の声や要望を主任や各部長を通して吸い上げてもらいました。職員の声や要望をもとに実現したのが、時間単位や半日単位で取得可能な年次有給休暇制度です。これにより、保育園や学校の参観日、通院の付き添い、リフレッシュなど、個人に合わせた有休取得が可能になりました。

認定の取得により意識が変わった効果もあり、以前は50%の取得率だった年次有給休暇の取得率が、現在は70%以上となっています。
また、水曜日はノー残業Dayなど、育児や介護に関わらず、すべての人に関係する取り組みも行っています。


現在の取組内容と今後の展開

大きな目標ではありますが、男性の育休取得時の給与が実質10割となるような支援制度についても検討していきたいと考えています。
それと同時に、男性の育休取得の場合に懸念される査定や昇進への影響の不安も払拭していきたいです。
ちなみに、令和4年度の男性の育休取得率は86%で、平均1~3ヶ月、最長6ヶ月取得された職員もおられます。


取組を実践して得られた成果や社内の変化はありますか?

ワークライフバランスが整うと、職員の残業時間が減り、帰宅時間も早くなり、計画的に休暇を取得できる状態になります。 これにより、職員ひとりひとりがプライベートをコントロールできるようになり、健康維持やリフレッシュして働くことへつながっていきます。

また、働きやすい、有休取得がしやすいということが明確に発信できる「認定取得」は、現在就職活動をしている方にとっても、就職先を選ぶ一つの目安にもなっているはずです。
実際、子育てをしながら働きたいという理由が一つの要因となり入社を決めてくれた人もいます。


これから認定取得へ向けて取組を始められる企業へメッセージやアドバイスをお願いします

一番大事なのは、働きやすい職場を作る意識です。
意見をあげにくい職場ではなく、現場の声をどんどん出してもらえることで、的確な改善につながります。
当グループにはいろんな部署があり、個々の生活に合わせて勤務時間や勤務日数が違っており、シフトは100通りほどあります。

人事労務部門の担当者はとても大変だと思いますが、自分で勤務形態を決めて、自由に休みも取れる環境は、辞めずに働ける魅力のある職場だと考えています。
そういった観点からも、多様な働き方やワークライフバランスに積極的に取り組むことは企業にとってもメリットのあることではないでしょうか?