企業インタビュー

Interview

根性論で突っ走る職場環境を一転!負担を減らして効率化を目指しました ー 株式会社 幸

「幸」さんの業務内容を教えてください

弊社は元々、高知市大津で介護保険の事業所としてスタートし、依頼のあったものは全て受けるというスタイルで事業展開をしていました。開設3年目からは障がい者の受け入れも始めて、その後、障がい児の受け入れもするようになり依頼も増えてきています。

現在は、4ヶ所の事業所で通所介護、重心型放課後等デイサービス&児童発達支援、生活介護をおこなっています。

認証取得に取り組むことになったきっかけを教えてください

元々、私自身が多趣味で私生活も充実させたいという思いがあったので、実は2009年の創業当時から、今でいうワークライフバランスには乗り出していました。ただ、開業したばかりで周りの同業社にも追いつきたいという気持ちが勝り、社員の残業時間が80時間を超えることも多々あり、思うように職場環境を変えられずにいました。

転機が訪れたのは創業から8年目のことです。
2017年に第3子が誕生し、やっぱり子どもとの時間を大切にしたいという想いが強くなり、もう一度働き方改革に踏み出してみよう、昔の自分ならできなかったことが、今ならできるかもしれないと職場環境の見直しを始めました。

認証内容について取り組み実践の経緯を教えてください

それまでの私の考え方は、情熱論や根性論に近いものがありました。
利用者さんへのサービスを一番に考えてしまい、考えるがあまり「休憩時間もなるだけ利用者さんと一緒に過ごそう」など、今思えば職員の休憩がなんたるかを考えていない提案をしてしまっていました。

そんな中、株式会社ワーク・ライフバランスが主催するワークライフバランスコンサルタントの勉強を始め、これまでの自分の考え方を改めると同時に、社内には効率化できることがたくさんあることに気づかされました。

現在の取り組み内容と今後の展開について教えてください

まず取り組んだのは有休消化の100%達成です。
どんなに忙しくても、みんなの休みの希望を調整して有休消化率を100%にしました。

2015年の労働局の監査の際に、「有給を100%取れているの企業はなかなかない」と褒められたことで、さらにやる気になりました。
次に目を向けたのは、先ほども述べた通り、運営の分析と効率化です。2017年ごろからこれまでの情熱論をグッと抑え込んで、効率化と職員の負荷バランスを考えた上での良いよりサービス提供を考え始めました。 さらに、男性の育休100%宣言にも乗り出しています。

最初の一人目の男性育休取得の時は急な取得だったので、バタバタとしましたが、それ以降は申請のルールを作って対応できるようにしたことでより取得がしやすく改善しました。
現在も一人、育休を取得中です。

取り組みをして得られた成果や社内の変化はありますか?

これまでのやり方を変えるということで、現場からはやり方を変えるのは難しいとの意見が出ました。でも改革を進める中で反発があるのは当たり前と受け入れて、とにかく組織は変わっていくと進めていきました。

当初はやり方が変わったとことにスタッフの多くがストレスに感じていたようですが、実際の運用を通じて職員間で交わされる口コミから、徐々に新システムを定着させていき、今では「楽になった」と言われています。

また、ひとつの仕事に対しての担当者を増やすことで、職員の力の底上げも図り、結果、お互いが助け合って仕事をしたり業務にあたることで、誰かが休んでも現場が回るようになっています。

これから認証取得に向けて取り組みを始める企業に向けてのメッセージやアドバイスをお願いします

どんな会社でもそうだと思いますが、組織というのは自分のペースで働きたい人、キャリアアップを目指す人、私生活とのバランス重視で働きたい人といろんな考えの人が集まって成立しています。

効率的な働き方よりも、自分のペースで働きたい人もたくさんいます。 特に社歴が長くこれまでのやり方に慣れている人を説得するのはとても大変でした。今までの当たり前を変えるには、多少の無理も必要ですが、無理をしてでも改善を進めることが働き方改革、従業員のワークライフバランス成功を実現する近道だと思います。

また、認証取得企業ということで、就職フェアの際の反応も上々です。正直、求人の応募人数も増えました。これからは、今一緒に働いている職員さんはもちろん、未来の職員のためにも、課題の発見と改善を繰り返していきたいです。