企業インタビュー

Interview

従業員の希望に寄り添う勤務形態の導入で、働きやすい職場環境を整えました ー 株式会社 サンシャインチェーン本部

認定取得に取り組むことになったきっかけを教えてください

「地域のお客様に買い物をしてもらうだけでなく、安心して働ける雇用の場にもならないといけない」という考えから取り組みをスタートしました。
そもそも小売業の業界は女性従業員の割合がとても多い職種。規模の小さい店でも40名、大きい店ともなると100名の人が働いていて、男女の比率は平均35:65となっています。正社員、パートに関わらず、多くの女性が働いていますが、出産や育児でどうしても働くことへの制限に悩まされることが出てきます。そんな問題を解決しようと10数年前から取り組みを始めました。

認定内容について具体的な取り組み実践の経緯を教えてください

まず行ったのが時短勤務の延長です。
法的には時短勤務の申請は子どもが3歳になるまでとなっていますが、弊社では小学校に上がるまでと定めました。そうすると、次は「小学校1年生は学校生活という新しい環境に慣れるまでは家庭でのケアも必要」という声が上がり、さらにもう1年の時短勤務の延長を行いました。

弊社としては、多くの女性の方に企業を支えてもらっているので、勤務時間が希望に合わないという理由が離職につながってしまう事はとても残念です。
できるだけ従業員の希望通りの勤務形態を取り入れることで、働きやすい職場、出産後も育児しながら働いてもらえる環境を作りました。正社員、パートに関わらず時短勤務の導入はとても喜んでいただいています。

他にはどんな取り組みをしましたか?

健康経営とも重なりますが、従業員の生活に寄り添うという目的で健診の促進と、健康的な体を作るためのセミナーなどの開催をおこなっています。女性特有の健康診断の制度として、2年に1回は公共の補助で行える健診がありますが、間の1回を会社負担で実施し、健康管理の推進をしています。そのほか、専門の先生を招いて、乳がんのセミナーを開催するなど、健康への関心を深めてもらう取り組みも実施しています。もちろん、全店舗同時開催は難しいので、webでの発信や、DVDの配布などで周知を徹底しています。

また、賃金や福利厚生だけでなく、啓蒙活動にも重きを置いています。
例えば理学療法士とタイアップして腰痛回避のための座学と体操をおこなったり、メーカーと一緒に熱中症対策の情報発信をしたりと、ひとつひとつがすぐに成果につながることではありませんが、日々の積み重ねが制度づくりのフォローとなり、健康的な生活やストレスの緩和が従業員の幸せになっていけばと考えています。

さらに、社内全体の取り組みとしては、1月の1日と2日を完全休業にしたことです。今やお正月にお店を営業するのは当たり前のようになっていますが、弊社では働き方改革の一環で2020年より完全休業にしました。
スーパーマーケットが正月休みをとるということは、もちろん売上に直結します。しかし、お正月は家族でゆっくり過ごすことが、従業員にとっては大切なことだと考え、多くの従業員から喜びの声が上がりました。

今後予定していることがあれば教えてください。

実は、すでに実施していて、まだ実績には繋がっていないのですが、更なる女性活躍推進のため、数年前からジョブリターン制度を導入しています。配偶者の転勤、介護、子どもを見てもらえないなど、育児離職や介護離職を理由に辞めていく人もいます。
ただ、育児も介護もずっと現状が続くわけではないので、離職後5年以内であれば、離職当時のポジションに復帰できるという制度です。一度仕事から離れたけれど、また社会復帰する際に戻ってこられる場所があるということが、安心の要素になればと思っています。

これから認定取得に向けて取り組みを始める企業に向けてのメッセージやアドバイスがあれば教えてください

時代や世代によって、働く意味や会社に対して求められるものは変わっていきます。今何が求められているのかをキャッチするためには、従業員の話を聞く機会を設けることが大切です。弊社では、社内に無記名の目安箱を設置し、意見に対する回答を担当部署が明確に答えを出してきました。そうすることで従業員のリアルな声を聞くことができるようになります。

また、自社だけでなく、高知の未来のために地場企業が考えないといけないことは「どうすれば選ばれる企業になるか」ということです。未来の地域のために、どんな施策をうって、福利厚生の最低限以上の環境を整えていけるのかを常に考え、従業員の共感を得ていくと、新しい取り組みの方法も見えてくると感じています。なかなか変えられない社風も、少しずつ変わってくると思っています。