2025年11月現在、4部門で認証取得。実は認証取得前より「意外とできていた」そんなところから始まった、働き方改革の歩みとは。
今回は、高知県ワークライフバランス推進企業認証で4部門を取得している株式会社 特殊製鋼所 猪野さまに、これまでの取組やこれからの展望についてお話を伺いました。
最初に認証取得を目指した背景

ライター:まず最初に、認証取得を目指すようになったきっかけを教えてください。
株式会社特殊製鋼所 猪野さま(以下、猪):はい、元々認証制度について興味があり、窓口へ問い合わせたところ、社会保険労務士の資格を持つ高知県ワークライフバランス推進アドバイザー(以下、アドバイザー)から無料で認証取得に向けたアドバイスを受けられることを知ったのがきっかけです。
そこで、アドバイザーへ弊社の現状などを話してみると、『これだけ取り組まれているなら認証取得できますよ』と後押しがあり、本格的な準備を始めました。
アドバイザーから実際に話を聞くまでは「敷居が高そうだ」と感じていたのですが、認証要件となっている取組も、実は既に取り組んでいるということも多かったです。また、これを機に就業規則の見直しを行い、結果的には制度や規則の見える化が実現したことで、従業員の社内制度利用の促進につながりました。
従業員の声から始まった男性育休の取得促進

ライター:ありがとうございます。それでは、それぞれの認証取得に向けた内容やエピソードを教えていただきたいのですが、まず次世代育成支援部門についてお聞かせください。
猪:認証要件の一つに育休の取得実績があります。弊社は男性従業員が多く在籍しているのですが、男性の育休取得は従業員からの申し出がきっかけでした。これを受け、「男性の育休取得促進のためには、会社側からちゃんと情報発信しなければ」と気づき、社内に浸透させるために制度の内容を社内で掲示するところから始めました。
男性の育休取得に対して、周りの反応もネガティブなものはなかったです。
弊社で初めて男性従業員が育休を取ったのは5年ほど前で、ちょうど男性の国会議員が育休を取ったというニュースがあった時期だと記憶していて、社会的にも理解が進み始めていたように思います。
目の前の差し迫った介護だけでなく、これからの仕事と介護の両立のために
ライター:続いて、介護支援部門についてお聞かせください。
猪:認証要件の一つに介護休業の取得実績がありますが、弊社ではこれまでに2名の従業員が介護休業を最大93日取得しています。
育児と違って、介護は先が見えないものです。従業員が介護休業を取得するまで知りませんでしたが、介護休業はサービスの手配や家族の役割分担など、これからの介護の準備のためにも活用できるようです。
ですので、今後は、目の前の差し迫った介護だけでなく、仕事と介護を両立できる体制を整える期間として従業員には活用してほしいと考えています。
休暇によるゆとりと生産性の維持・向上の両立を実現
ライター:年次有給休暇取得促進部門についてはいかがでしょうか。
猪:弊社の年次有給休暇(以下、年休)の取得率は、かねてより平均80%以上と高い水準でしたが、これはこれまで培われてきた社風によるものと考えています。
現場では同じ業務を複数人で分担しお互いカバーしやすいこと、技術継承の観点からベテランが若手に教える文化が根付いているなど、業務が属人化されていないことが大きいです。
また、組合からの要望をきっかけに半日年休も2007年から導入しました。
最近では時間単位年休を求める声も出てきているので、従業員の声に応えられるよう、規則やシステム整備の検討を進めています。
社員の健康を守るために一つずつ着実に積み重ねることがこれからの課題

ライター:それでは次に、今後の展開についてお聞かせください。
猪:今は健康経営部門の認証取得を目指しています。
現状の取組としては、健康診断やラジオ体操に加え、令和2年からインフルエンザの予防接種を社内で実施するようにしました。提携している病院の方に会社まで来てもらい、希望する従業員全員が接種できるようにしています。費用は会社が全額負担し、従業員が気軽に受けられるように配慮しています。また、高知家健康パスポート(事業所版)登録の案内もいただいたので、導入を検討しています。
取組の成果として得られた中途採用の増加
ライター:取組による成果や、社内の変化についてはどのようなものがありましたか?
猪:中途採用が増えたことが、一つの大きな成果だと感じています。
新卒採用はなかなか難しいですが、従業員からの紹介による応募が多く、やはり実際に働いている人が「この会社は働きやすい」と感じているからこそ得られる成果ではないでしょうか。
これから認証取得に向けて取組を始められる企業様へ
ライター:最後に、これから認証取得に向けて取組を始められる企業様へメッセージをお願いします。
猪:何気なくすでに実践している取組が、実は認証要件に合致しているということもあると思います。敷居が高いと思い込まずに、まずは一度アドバイザーへ相談してみることが大切です。
特に就業規則の整備は、認証取得に限らず会社全体の透明性につながるはずです。ぜひ一度見直してみてください!